三日月様の紙芝居

長女が2歳の頃だから35年程も前、ふるさとの町を散歩した。実家の前の殿町通りを駅方面に商店街をぶらぶら。踏切手前交差点を右に行くと駅。この日は昇栄映画館のほうへ左手に折れる。次の江戸街道の角でカツ~ンチョイ~ンと拍子木を鳴らし「紙芝居だよ、集まんな~」という小父さんは、あららアッちゃんだ。ぼくが子供の頃おなじみの紙芝居屋さん。時代がくるくる、あちらにこちらへ驚きである。彼とはあまり年齢差がなかったのだろうか、歳をとらないのか、かるい目眩に似たタイムスリップ的空気に包まれて「見てみようか?」と彼の後から三日月神社の方に向かう。平坦な町に楠の大木で飾ったオニギリをポンとおいたような神社の裏手が会場だ。それにしても?さえあれば歳の差なんて…ちゃうちゃう。入場料は?50円だったか手渡すと引き換えにベッコあめ、ジャム塗りセンベなど全て型抜きなどのスキルに応じて、もうひとつおまけなどの賭けあり。こうして経済の初歩を学ぶのです。主催者は「無くさないようにね」とお釣りを50円の穴に紙縒りを通して長女の手首に結んだ。心配りであるな。「小さい子は前に来な。大きい子は後ろでも見えるよね。お金を払わないでも見ていいんだよ。きょうは特別だぁ」いつも特別なんだろおなぁ、この優しさは学校ですよ。演目は黄金バット、墓場の鬼太郎に女の子向けナントカちゃん。息をのんだり笑ったり、しばし。「本日はこれまで、ありがとう、また来週ね」チョ~ん。子供たちは声を揃えて「ありがとうございました」これは巷のよい学校です。*長女は「?」内容はわからないようだけれど楽しかったようで「ありがとございます」と皆にならって言っていた。
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